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本社と子会社の微妙な関係

IT業界に限らず多くの業界で、大企業の本社に入った人は新人の時から管理系の仕事をすることが多いです。上司の話やブログを読む限りでは、10〜20年前に比べてこの傾向が強くなっているらしい。単価の高い仕事と安い仕事の構造は、子会社やパートナーへのアウトソースから生まれています。

本社の人は、自分がやったことのない仕事を子会社に指示しなければなりません。これって、本社の人にとっても子会社の人にとっても不幸なことだと思います。本社の人は、自分より圧倒的にノウハウを持っている子会社の人を上手く扱う能力が求めます。逆に子会社の人は、何も分かっていない本社の人を上手く扱う能力を求められます。

この傾向が進むと、管理層と現場層の乖離が大きくなります。本社の人は現場がよく分からないけど分かったふりをし、子会社の人は都合よく現場を見せようとします。こうなるとファクトベースで話ができず、事実ではなく人(の思惑)に基づいて決定が行われるようになります。

本社の人が現場の作業を経験できるようにし、子会社の人が意思決定に関われるようにする。こうすることで少しは乖離が小さくなるのではないでしょうか。何よりも「本社の方が子会社より偉い」=「管理層は作業者より偉い」という空気をなくすことが第一です。本社の人が「偉い」「人間的に優れている」のはただの思い込みにすぎません*1

参考までに。友人にテレビ業界の中の人がいますが、本社と子会社の違いがすごいらしい。子会社から見ると本社の人は何をしてるか知らないし、そもそも現場にいない。現場にくると、逆に機器の使い方とか進行を聞かれたりするらしい。なかなか大変そうでした。

*1:上下関係がないと作業指示しづらいのは、日本独特なのかもしれませんね。