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社内Twitterはネットのこちら側とあちら側の架け橋となるか

社内Twitterの検討をやっていますが、予想していた課題が顕在化してきました。課題とは、ネットのこちら側とあちら側の溝です。

ネットのこちら側の人たちが考えるサービスはメッセンジャです。多くの開発プロジェクトが(公式か非公式かともかく)IP Messengerを使っていますし、家に帰ればMSN Live MessengerやYahoo Messengerがあります。こちら側のサービスは基本的に知り合いの間で使うもので、特定少数の間でのコミュニケーションと言えます。

これに対して、あちら側のサービスは不特定多数のコミュニケーションです。BlogやTwitterはあちら側の代表格でしょう。同じ興味を持った人たちの間でゆるいつながりが生まれ、不特定多数の間でコミュニケーションが乱立します。

あちら側の世界は不特定多数を信頼するモデル(ref. ウェブ進化論)を前提とするため、こちら側の人たちにとっては不可解です。こちら側からあちら側に一歩を踏み出すには相当なコストが必要です。そもそも企業組織は、厳格な管理による特定少数の信頼を拠り所としているため、不特定多数を信頼する文化が受け入れられにくい。余談ですが、企業内のID管理とOpenIDが相反するのもこのためです。

こちら側を社内Twitterに取り込む方法

こちら側とあちら側が同居しているサービスはないのか?社内SNSは、知り合いだけの馴れ合いにも使えるし、知らない人と知り合いになるのにも使えます。前者のパターンがおおよそ多数を占めているでしょうし、後者のようなロングテールを取り込むことにも成功しています。

もしTwitterをそのまま社内に持ち込んだらどうなるでしょうか。おそらく、あちら側を理解する少数の人が使うニッチなサービスになりかねません。これではオタク同士の馴れ合いを越えることができません。それが目的ならいいけど。

こちら側を社内Twitterに取り込むには、TwitterとMessengerをシームレスに統合する必要があります。知り合いとの会話から知らない人との会話へと、自然に広がっていく仕組みが必要です。その仕組みを考えるとき、社内SNSはよい参考事例となるでしょう。