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公開鍵暗号が生まれるまで

他人に分からないように文書をやり取りしようとする試みは遠く昔から行われてきました。アルファベットをずらしたり、乱数表を使ったり、難しい計算式を使ったりといったように、暗号を作る方法をどんどん複雑にして進化してきました。

ただ、やり方がいくら複雑になっても、鍵がバレたら暗号は解読されてしまいます。互いに同じ鍵を使わずにやり取りする方法がないか、世界中の研究者が競い合っていました。

1976年にDiffie, Hellmanの2人が公開鍵暗号方式を発表しました*1。これは概念であったため、具体的な暗号化手順は示されていませんでした。そこで、1978年にRivest, Shamir, AdlemanがRSA暗号方式を発表しました*2。基本原理は割り算の余りが分かれば理解できます。

それから時が流れ、1994年にNetscape CommunicationsSSLを発表します。Web上で安全な通信を行う仕組みが整備され、現在に至っています。

OpenSSLの功績は大きいと思う今日この頃です。

*1:W. Diffie and M.E. Hellman, "New directions in cryptography"

*2:R.L. Rivest, A. Shamir, and L.M. Adleman, A method for obtaining digital signatures and public-key cryptosystems