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int128.hatenablog.com

夢見るSIerと虚構

たまには実情を書いてみる。愚痴大会なので読み飛ばしてくだしあ。

SIer の経営方針としては、「どんなカタチにせよ、生産性を高めるのである」という方向に行くと思います。生産性を高める要因は2つしかなくて、「開発プロセスの改善」と「ソフト生成の自動化」です。要するにワンタッチでポンでシステムが出来ればすげぇじゃんっていう発想。でも、そもそも要件定義が終わると全部終わるので、どうにかして改善されたプロセスを最大限に働かせるアジャイル的プロセスへの移行は不可避だと思う。

http://d.hatena.ne.jp/gothedistance/20090723/1248331426

開発プロセスの改善」はどこのSIerでも施策に挙げていると思いますが、成果を上げているところはあるのですかねぇ。要件定義と開発はまったく別の仕事だから、両者で改善方法はまったく異なるはず。まずは後者のウォーターフォール脱却から始めた方がよいと思います。

ただ、ウォーターフォールをやめるとなると社内の開発標準やら品質基準やらだけでなく、承認フローや管理会計まで見直す必要があるから大変。○○判定会議とかの資料を作ってる人は分かると思いますが、こういう事務作業をなくすと仕事がなくなる人がたくさん出てくるので(ry。投入したコストを定期的に評価する機会が必要だし、アジャイルを実現するにはまず会計制度から考える必要があるかも。

「ソフト生成の自動化」は疑問。ただ、ソフトウェア工場(工業化論)は根強い人気を誇っていますね。設計と製造の区別が付いていない人が多くてげんなり。設計書があれば製造するだけだと思ってるからオフショアが大人気です。現場はデスマですが。オフショア化のコストメリットを正確に測定してみたいですね。オフショアの委託費は大きく下がるだろうけど、直営人件費(+国内の委託費)は確実に増加してると思う。生産性(費用/工数)が下がったから良しと判定してるのでしょうが。夜な夜な誰かが頑張って再設計してることに早く気づいて!

また、「そもそもシステムを作るっていう発想があれだね」っていうSaaS的な何かで「毎月のランニングだけ頂く」仕組みでスケールしたいと考えると思うのだが、それを加速していくとヒト(技術者)が要らなくなるってことだから、SaaSをやろうとしているSIerも頭が痛いのかもしれない。自己否定につながる。色々SaaSに参入したという話は聞くけど、どこも苦戦していらっしゃるようだ。SaaSという形態自体は僕は魅力を感じるのだけど、まだまだボタンの掛け違いが多いようです。

http://d.hatena.ne.jp/gothedistance/20090723/1248331426

SIer が自らSaaSビジネスをやることはないと思ってます。自らが商売して投資を回収するノウハウがないし、やるとすればアウトソーシングの延長でしょう。 SIの最大の旨みは「作ったけど売れなかった」がないところにあります。「やってみたら駄目だった」はあるけど、それは投資じゃない。売れるものを考えるって絶対難しい。

かといってSI案件をクラウドで効率化するみたいなのは無理。スケールアウトするには技術が必要。未だバッチは単一の系で走るし、仕方なしに多重化するとなれば設計が複雑化して大変なことになります。Hadoop使ってるSI案件があったら是非聞きたい。

SaaSの基盤部分をやろうとしてるところはありますね。まあSIerがアプリを作ることはないみたいですが。うーん、近場にごにょごにょあるのですが詳しく書けなくて残念。


チラシ裏の落書きになってしまいました。。。大事なことなので最後に言います。脱サラしたござ先輩に会いたいです!