GeekFactory

int128.hatenablog.com

SIer

カバレッジを出すメリットとデメリット

アカデミックな統計数値について、疑問を示す。例えば、カバレッジについては、試験を平たくやることにつながり、費用対効果を下げる結果になると指摘する。なので社内の標準開発環境からはカバレッジ測定ツールを提供しないで欲しいと提言した。 http://d.h…

プログラミングは企業戦略上の差別化につながらないのか?

大手SIerでは、社内人件費単価が外注の単価と比べて、べらぼうに高いことが多い。だから、プロジェクトマネージャも利益を出すために、社員の数を抑え、できるだけ外注しようとするのです。(中略)実際にコストを大きく占めているのは、外注費です。だから…

ソフトウェアメトリクスによる品質分析の実案件への適用

ソフトウェアの品質を分析する指標の1つにソフトウェアメトリクスがあります。現在、実案件の品質分析に適用しているのですが、開発者へのヒアリング内容とメトリクスの傾向が合致していて、非常に面白いです。 ソフトウェアのメトリクスとは、ソフトウェア…

ソフトウェアアーキテクチャの進化に追いつかない

コメントありがとうございます。 id:ysakata 確かに私もさんざん体験していますが、あり得ないコードをみても、そういうコードを書く人をマネージすることが当社の役目と言われるよ。けど、それでもそのマネージする人は少なくとも本人ではなく手の自社内で…

マネージャが技術を知り、エンジニアが業務を知ること

マネージャとエンジニアをつなぐ役割は面白い。私はそんな仕事をしています。普段SIerに批判的な記事を書くことが多いのですが、実はやってる仕事は面白いです。大切なことは、マネージャが技術に関心を持つように仕向け、エンジニアが業務に意見を言うよう…

SIerにとって、技術は業務を自動化する手段の一つに過ぎない

ブクマのコメントにあるように、ユーザ企業に昔から入り込んでいるベテランSEが、ユーザ企業から重宝されるのは事実です。システム部が要件を決められないから。でも、そのせいで、ベンダーロックインが起こり、高いコストを払わされているはず。システム部…

プログラミングを単純労働と捉える3つの理由

int128殿の会社では、 >プログラミングは誰でもできる、頭を使わない作業 と思う方が多くいるのかしら? http://d.hatena.ne.jp/int128/20080414/1208181589 うちに限らず、多くの大企業SIerではプログラミングを単純労働と捉えています。その理由は3つあり…

プログラミングを自動化できないたった一つの理由

自動車産業を始めとする製造業では高度な自動化が行われているが、ソフトウェア開発は未だ自動化が行われていない。数年前から、SIerの興味は建設業から製造業に移っている。 ソフトウェア開発という「家内制手工業」をせめて「工場制手工業」へ発展させ、ゆ…

コードレビューによる効果を定量的に説明する必要がある

パトナーさん通しでペアを組ませて、レビューをさせるというのはどうでしょう。と私は提案しました。できる人と経験が足りない人を組ませることで、経験が足りない人のスキルも向上するし、ダメなコードも少なくなります。最後の提案に関しては、データの方…

手順どおりにやるだけでソフトウェアを製造できるようになるのか?

ユーザー企業がイノベーション・エンジンとして動くようなそんな仕組みが絶対必要になると思う。(中略)僕が考えられるオプションとしては「内製回帰」か「人材サービス前提からSaaS型の業務アプリ開発への転換」の2つかな。 http://d.hatena.ne.jp/gothedist…

ユーザ企業自身がITの持つ可能性を活用していくべき

日本のIT産業は、30年前の技術に最適化されている。しかも、当時のプログラミングで解決できなかった問題を、企業文化の中に取りこんで属人的に対応して、そのままになっている。それを「業務知識」と呼び、それを暗黙知のまま継承することを強いている。だ…

自分はいま大企業SIerで何ができるか

私は大企業SIerに対して悲観的なエントリを書くことが多いのですが、現実はやや違います。自分がいま何をすればいいのか、どう役に立つのかを考えます。アーキテクチャに疎い人が多いのであればそこをカバーすればいいし、企画に近いことをしたければ新しい…

物を作って公開する楽しみ

プログラミングしたい人々は、物が出来るまでの過程を楽しみたい人である。だから、「DBにクエリーをかけてHTMLにぶちまけるだけの簡単なお仕事」が退屈で仕方がない。しかし、アプリ開発したい人々にとって、物ができるのは出発点にすぎない。彼らが楽しむ…

プログラム設計書の良い部分と悪い部分

設計書の定義は、おおよそ開発標準や慣例で決まっています。逆に言うと、設計書名やその中身を書くと社名がバレるかもしれません。だからみんな書きたがらないのでは。中でもプログラム設計書はベンダによる違いが大きく、結果的に技術力の差となることが多…

レビュー時間を節約しましょう

余談ですが、対面レビューの時間は大半が無駄だと私は思っています。誤字脱字や書き方なら各々でチェックして持ち寄ればいい。読んで理解する時間が無駄です。6人が3時間の対面レビューをやったとすると、金がいくら飛んでいるんですか。2人日(笑)ですよ。…

日本語とギーク語を使い分ける境目は元請けにある

プログラミングができないのなら、プログラミング言語を自然言語に翻訳したプログラム設計書を理解できるはずがない。できるとしたら、誤字脱字、単語が統一されていないとか、日本語が変だとかそんな指摘くらい。そんなレビューは意味がない。だって、全然…

仕様書やプログラムを書く大変さ

大御所のブログを引用するのはおそれ多いのですが、それでも元請けの視点で書きたいことがあります。 例えば、誰が書いても同じコードにするために、プログラム設計書(内部設計書)を今、書かせているとしたら、そんな無駄なものはやめたほうがいいと思う。プ…

保守性の高いコードを定量的に評価するための手法が重要

生産性という言葉があります。単位時間当たりに何ステップのコードを書けるかを指します。プロジェクトの見積ステップ数を生産性で割り、必要な要員数を勘定するなんてことはめずらしくありません。人月の計算と要員の手配をしている管理側にとっては楽な方…

外から見たSI業界とは何だろう

日経ビジネスに鋭い指摘が載っています。 一般の人は勘違いしているかもしれないが、建物を造っているのはゼネコンちゃうで。ゼネコンは現場を管理しているだけ。実際に造っているのは職人や。その職人も、ゼネコンが雇用しているわけやない。抱えているのは…

スーツとソルジャーの間にギークがいる

SIerって、少数のスーツが多数のソルジャーを使うことで成り立ってるんだよね。スーツ会社とソルジャー会社ははっきり分かれてて、ソルジャー会社はスーツ会社に人を派遣してる。契約上は派遣じゃないんだけど、実質は派遣だよね。 スーツ ソルジャー 単価 …

ギークをエンパワーするのがスーツの役割

そもそもユニットテストはエンジニアが自発的にやるもんだ。トップダウン的に強制力を持たせるべきではない。でも(微妙な)協力会社に任せると適当なんだよなー。協力会社のスーツ次第で品質の意識は大きく変わる。ユニットテストをちゃんとやらせようとす…

プロジェクト管理ツール

いい進捗管理ツールはないか聞かれたのだが、MS Projectぐらいしかアドバイスできなかった。やっぱりマクロてんこ盛りのExcelしかないのだろうか。しかしまあExcelで稲妻線を引く作業はアホみたい。HやNは自社で独自のツールを持っているのにうちはない。そ…

業務と技術

業務寄りの仕事は個別最適が進む*1一方で、技術寄りの仕事は全体最適が進む。この結果として、技術寄りの仕事はコモディティ化するので人材の流動化が進む。取りかえが利くようになる。前者がコモディティ化しない要因を考えてみる。業務寄りの仕事は案件ご…

スーツを纏ったギーク

404 Blog Not Found:スーツの道も、舗装するのはギークを読んで思ったこと。スーツとギークは互いに独立した概念である。その人の立場と実際の能力が異なることは現実にある。ただ、スーツの世界ではスーツであることが評価される。 口を動かすのがスーツな…

業務知識は体で覚えろと

(SIerの)仕事は体で覚えるしかないよな、という話を同期とした。いわゆる業務知識は技術知識に比べると体系化されておらず、try and errorで覚えるしかない。やってみて失敗して怒られて勉強する。言い換えると、形式知よりも暗黙知が多い。知識共有を職人…

ソフトウェアの妥当性

http://d.hatena.ne.jp/Amiya/20071222にて意見をもらった。 ではユーザが本当に求めるモノの指標になるものは? 私は「ソフトウェアが使えるという証明」(ドキュメントの品質を含む)であると思う。 しかし、この証明は完全には不可能なので、これの近似値…

日本のシステム開発の仕事はドキュメント作成

先輩から聞いたありがたい話の備忘録として。 お客様はシステムの中身が分からない。だからその価値をドキュメント等の目に見える「物」に求める。ドキュメントの妥当性もこれまた中身が分からないから、どれだけ多くの人がレビューして承認したかに委ねる。…

後輩に贈る言葉

来年からはメトリクスもコーディングも統計もすべて忘れた方がいい。 Eclipseも忘れたほうがいい。 その代わりにWordとExcelを極めておけよ。

ソフトウェア開発における品質

今回の講師は製造業における品質管理を専門とされる方で、ソフトウェア開発にはあまり詳しくないようでした。ときどき「まあソフト開発はちょっと違いますがね」という一言が気になりました。ここから先は私の独断と偏見に満ちた考察です。意見ください。一…