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大企業で働くこと

2007-04-02 - My Life Between Silicon Valley and Japan より引用。

次のようなタイプの人は概して日本の大企業に向いていると僕は思うし、概してこういうタイプの人が大企業で成功しているように思う。向いている=「大企業が好き」ということなんだと思う。

  • 与えられた問題(課題)を解く(解決する)のが好き。その問題(課題)を解く(解決する)ことにどういう意味があるかとかよりも、その問題が難しければ難しいほど面白いと思う。
  • Whatへの「好き嫌い」やこだわりがあまり細かくなくおおらか。一緒に働く人への「好き嫌い」があまりない。そして苦手(つまり「嫌い」)を克服するのが好き。
  • 尋常でない体力(特に何十年も長時間労働ができる持久力)を持ち、そこが競争優位になる世界が好き。
  • 匿名性を好む。「これは自分がやったことだ」というような意志表明(自分の名前で仕事をすること)にあまり興味を持たない。むしろ一人ではできない大きなことを仕事ではしたいと考える(たとえば世界中に普及する自動車の開発に関与したというようなことを好む)。
  • パワーが好き。政治的行動が好き。責任感が強い。いずれは組織の長になってそのパワーを行使することで何かを成し遂げたいと思う(社会貢献みたいな達成、共同体の家族も含めた幸福にコミットするとかも含めて)。
  • 組織の一員であることの「気楽さ」、「安心感を持ちつつ生活できる」ことが好き。
  • 短期決戦型勝負よりも長期戦のほうが好き。
  • 「巨大なものが粛々と動いていく仕組み」みたいなものが好き。工場が好き。プラントが好き。巨大建造物が好き。社会のルール作りみたいなこと(立法っぽいこと)が好き。
  • 「これが今から始まる新しいゲームだ」と「ルール」を与えられたとき、そのルールの意味をすぐに習得してその世界で勝つことに邁進する、みたいなことが好き。

ここで挙げられている9項目のほとんどはSI業界に当てはまる。元請けであっても、下請けであっても。要約すると、大きな組織の中で与えられた課題を解決することが好きな人は大企業に向いている。

私は大企業にいる。その中でも、大企業に適応できた「一般人」とそうでない「特異な人」は明確に分かれている。一般人に該当する項目を挙げてみよう。

  • 将来像を聞いたとき、組織の中での役割(例えばプロジェクトマネージャ)は明確であるが、仕事の専門性は漠然としている。
  • 与えられた課題を解決するのは非常に得意だが、既存のプロセスに疑問を持ち新しい方法論を提示するのは苦手である。
  • 組織の中で自分のすべき仕事のみを完璧にこなす。

残念ながら、私はこれらの項目に反する「特異な人」である。特異な人が大企業で生きていくためのアクションを考えてみよう。

  • 与えられた仕事に面白さや価値を見い出してはいけない。
  • 与えられた仕事はなるべく自分でやらないようにする。人に押し付ける。
  • 勤務時間の20%を「やりたいこと」に使うべき。コーディングしてもいいし、ブログで自分の理論を書いてもいい。
  • 人からの評価に価値を見い出さない。ただし、専門家として尊敬されるようには心がける。
  • (最終手段)特異な人が集まる部署に異動する。

これらのアクションを実行できるようになろう。