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フィードと認証サービス(OpenID)の発展を比較してみる

非常に面白い考察があります。

いま多くのサイトにフィードがついてるのと同じように, もしかしたら OpenID もこの先 2, 3 年たったら, いろんな Web サイトが受け入れるようになる (リライング・パーティになる) かも. けど一方 OpenID を自覚的に使うユーザは, その段階でも全体の 2 割くらいに留まるんじゃないだろうか.

http://blogs.sun.com/tkudo/entry/predicting_openid_adoption_in_2011

フィードの浸透

フィードの利用が浸透したのはブログの発展が大きい。ブログで情報発信し、日々情報収集するという文化が急速に浸透したのは、提供側と読む側が両輪となって発展したことが鍵となりました。

フィードを提供するにはRSSATOMを生成する必要があります。Movable TypeがデフォルトでRSSを出力していたこと、BloggerなどのブログサービスがRSSATOMに対応したことが推進力になったと思います。今となっては猫も杓子もフィードアイコンを付けている状況で、コモディティ化したといえます。

フィードを読むにはRSSATOMを整形して表示する仕組みが必要です。初期はDOMやSAXでプログラムを書いてた人が多いと思いますが、ライブラリが出揃うと爆発的にサービスの裾野が広がりました。単なるリーダーだけでなく、アンテナや集約サイトのようなサービスも出てきました。技術の敷居を下げることは「もっと面白いもの」を生み出すきっかけとなります。

認証サービスの浸透

いろんなサービスで別々のIDが使われています。はてなのID、mixiのID、YahooのID、GoogleのID、... 挙げるとキリがないですね。従来はそのサイト内でしか認証サービスを利用できませんでしたが、OpenIDの出現により状況は変わろうとしています。

フィードは「提供側」「読む側」の2者関係でしたが、認証サービスは「認証提供側(IdP)」「サービス提供側(Comsumer)」「ユーザ」の3者関係であることが大きな違いです*1

IDによる認証を提供するにはOpenIDに対応する必要があります。今年に入ってYahooが対応し、mixiも対応を表明していることから、認証提供側は事足りると思います。特に、mixiのIDなんかは価値が高いと思いますよ。

IDによる認証に対応するには、同じくOpenIDに対応する必要があります。こちらは依然として技術的な敷居が高いため、大きな普及には至っていないのが現状です。言ってみれば「自前のデータベースで管理していたID」を「OpenIDで認証されたID」に書き換えるだけなのですがね*2

外部認証への戸惑い、不安

ユーザはOpenIDを意識することはありませんが、IDが外部でも使えることに最初は戸惑うと思います。「ここのWikiってmixiのID使えるのか。あれ、mixiの日記とか見られたりしないかな、大丈夫かな・・・」という意見は意外と多いはずです。

シングルサインオン的なエクスペリエンスがWebにおいて一般受けするのかどうかの是非を正面からはっきり見るべきだ

http://d.hatena.ne.jp/shinichitomita/20080327/1206601660

気になった記事があったので追記。確かに、ケータイの(識別番号)認証も同じですね。ロングテールまで普及するには「そういうもの」と思わせる必要があるかも。個人的には、mixiの友達だけに公開するWikiページを作るのに使おうと思ってます。

まとめ

ブログで情報発信し、日々情報収集するという文化が浸透したのと同じく、一つのIDで色んなサイトを利用できる文化が浸透することが鍵となるでしょう。また、サービス提供側がOpenIDに対応するための敷居を下げることも重要です。

*1:概念的にはIdentityとIdPは別物であるが、簡単のため両者は同一として話を進める

*2:そういう私もPukiwikiOpenID対応化が未着手。。。