Spring BootでログやActuatorにバージョン情報を含める
ログやActuatorにバージョン情報を含めておくと、本番環境でどのバージョンのアプリケーションが実行されているか簡単に確認できるので便利です。
ビルド時にapplication.ymlにバージョン情報を含める
Gradleでは、以下のようなビルドスクリプトを書くとapplication.ymlの文字列を置換できます。
version = System.getenv('TAG_NAME') ?: 'SNAPSHOT' processResources { filter(org.apache.tools.ant.filters.ReplaceTokens, tokens: [ 'APP_NAME': project.name, 'APP_VERSION': project.version ]) }
ここでは、ビルド時に TAG_NAME
という環境変数にバージョン番号が設定されている前提で、application.ymlを置換しています。バージョン番号でなくてもコミットハッシュや日時、ビルド番号など何でも構いません。
例えば、application.ymlに以下を書くとアプリケーション名やバージョン番号に置換されます。
app: name: "@APP_NAME@" version: "@APP_VERSION@"
なお、Spring Bootの公式ドキュメントではSimpleTemplateEngineによる置換が紹介されていますが、Placeholderと競合するので使いづらいです。ReplaceTokensを利用する方がおすすめです。
72. Properties & configuration
ログにバージョン情報を含める
Spring Cloud Sleuthを使用している場合は、以下を設定するとログの全行にバージョン情報が付加されます。
spring: application: name: "@APP_NAME@-@APP_VERSION@"
2016-02-26 11:15:47.561 INFO [example-1.0.0,2485ec27856c56f4,2485ec27856c56f4,true] 68058 --- [nio-8081-exec-1] com.example.Application : Hello
(追記) spring.application.nameはService Discoveryのキーに使われるので、上記は避けた方がよいです。
@making 確かに。バージョンも入れたい場合は自分でMDCでカスタマイズする方がよさそうですね。
— いわてぃ (@int128) 2017年2月16日
起動時に出るだけでよいという場合は、適当なプロパティにバージョン情報を入れてログで出力するとよいでしょう。
@Slf4j @SpringBootApplication class App { static void main(String[] args) { def context = SpringApplication.run(App, args) log.info('Started {}', context.environment.getProperty('info.app.name')) } }
Actuatorでバージョン情報を返す
Actuatorを使用している場合は、以下のように設定するとREST APIでバージョン情報を取得できるようになります。
info: app: name: "@APP_NAME@" version: "@APP_VERSION@"
GET /management/info
にアクセスすると以下のようなJSONが得られます。
{ "app": { "name": "example", "version": "1.0.0" } }
Actuatorでバージョン情報が取れると便利なのでぜひ使ってみてください。