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社内Twitterは人と情報の流動性を高める

社内Twitterは大企業病の特効薬となるか」の続き。

まわりしか見えない症候群

縦割りの世界では、人や物や情報といったリソースが組織を超えて自由に動くことはありません。原則として、社内取引でお金が動きます。お金が動くということは、自組織の利益になる(見えざる)力が働きます。

人や情報の流動性が低くなると、自分のまわりしか見えなくなります。リアル世界のつながりは、例えば以下があると思います:

  • 仕事上のつながり。同じプロジェクトの人とか。
  • 物理的に近いつながり。同じ部署の人とか。
  • 知り合いとか、同期とか。

これらの要因が重なるほど、つながりが強くなります。逆につながりのない人は「見えなく」なってしまいます。図で表してみました。

社内SNSのつながりは遠い

大企業は数千〜数万といった多くの人材を抱えているので、希望通りの仕事ができる人はかなり少ないです。人事制度で適材適所を実現しようにも、ものすごい手間がかかるわけです。そんなわけで、面白くない仕事に埋もれていく人はたくさんいます。社内のつながりがあれば、希望に近い仕事に出会うチャンスが出てきます。

最近では社内SNSを導入する企業が増えています。同じ興味を持った人たちが集まるコミュニティという特徴を生かし、知識共有では成果を挙げている事例もあります。一方で、会ったこともないような人たちと議論する敷居はまだ高く、単なる共有で終わっている気がします。

社内SNSはタコツボ化を本質的に解決できていません。なぜなら、同じ興味を持った人たちが集まる時点で同質化してしまうからです。この問題に対して「人力検索はてな」のような仕組みを導入している事例もあります。新しい情報が入ってくる仕組みを作ることは重要です。


ウェブ世界とリアル世界をつなぐもの

社内SNSですごい人と知り合いになりました。熱く議論してみたい。」といったときに、実際に会って話をするのは時間と場所によるコストから非常に難しいです。社内SNSはブログや日記の形なのでじっくり議論するには適していますが、いまいちスピード感に欠けます。

そこで社内Twitterです。ブログに書くまでもないネタで熱く議論できるし、まるで実際に会って話している感じになります。現実には、ミニブログという形で導入するのがベストでしょうね。

次回は、企業にそのままTwitterを持ち込んだ場合の問題点を考察してみます。